多文化つくたべ交流会
文化庁委託事業「生活者としての外国人」のための 日本語教育事業 「つくって×たべて」そしてつながる日本語;「多文化つくたべプロジェクト」
8月30日(日)@さたけん家
身近な「食」をテーマに地域で暮らす人たちがつながる交流会。第1回はSIFAから歩いて10分のコミュニティカフェ「さたけん家」で開催しました。縁あって大阪に暮らす外国人市民と地域の方々が料理を作って食べて交流する中で、互いを知ろうと心を寄せ、日本語で伝えようと互いのことばに耳を傾ける。たった一度の交流で仲が深まることは難しいですが、国と国ではなく人と人との小さな交流を積み重ねることで互いの存在を認め合い、多様な人々が暮らしやすい地域社会に少し近づくのではないかと信じて取り組んでいます。多くの人に参加いただくことを望んでいましたが、コロナ対策のため参加人数を当初の半数に絞り少人数での開催となりました。この事業を企画した今年1月はみんなで作って食べるイベントの開催がこれほど難しくなるとは想像もしていませんでした。あれこれと予定変更を余儀なくされましたが、この事業に関わる皆さんの知恵と協力のおかげで温かい交流の場を実現することができました。
このプロジェクトは、参加する外国人メンバーが交流会実施に向けて企画段階から主体的に参画するという試みです。だれかが企画したイベントの参加者、すなわちお客さんとしてではなく、ボランティアの力を借りながらも自分たちの発想と行動で地域の人たちと関わる機会を作り上げていく。その過程で、日本語や日本での暮らしについてさまざまなことを習得し、そしてプロジェクトに関わる人々と出会い、仲間との関係を築いていけるようスタッフは後ろから支えています。今はまだ動き出したばかりでスタッフが前に出ることが多いですが、回を重ねるうちに外国人メンバーが主体となって考えて動き、スタッフは黒子に徹することができるようになることが目標です。
今回は、台湾の朝ごはん「蛋饼(ダンピン)」、タイのグリーンカレー「ゲンキョウワン」、ロシアの伝統料理「ザリブノ・ピログ」を作りました。何を作るか、材料は何が必要か、レシピはどんなふうに書けば伝わるか、交流会ではどんな話をしようか、と毎週集まってみんなで相談しながら企画を形にしていきます。タイのナスをわざわざ買って持ってきてくれたり、 料理は苦手だけど母国でカメラマンをしていた腕を生かして撮影係をしてくれたり、どんどん積極的になっていく変化を感じられたことはうれしい収穫でした。こんなことがしてみたい!というみんなの希望を実現できる場になるように、これからもみんなで楽しくわいわい続けていきます。